よく聞かれることがあるのでウールとカシミアの話をします
現在の製品には材料の表示義務があって必ず付いてますね
カシミアを買ったのにウールとなっているとか
疑問に思われる方がいると思います
ウールとは獣毛(動物の毛)の総称で
ウールの中にカシミア、羊、アルパカ、キャメルなどが
あるわけですが日本ではどういうわけか羊毛のことをウールと呼んで来たために
誤解が生じているようです
さてこのウール(もちろんカシミアなども含みます)には
等級があるのです
消費者の皆さんに分かりやすい等級を表示すれば簡単なんですが
現実の売り場では単純にカシミア100%と表示するので
普通は価格だけが注目されますが
問題は価格でなく、どの等級のものをどのくらいの量使ったかです
繊維は縦糸と横糸を組み合わせて作ります
安くしようと思ったら等級の低い糸を使い密度をうすく(目を荒く)織れば
使用する糸の量が減るので安く作れます
でもこれでは2年しか持たない洋服になるでしょう
簡単に言えば細い糸を使い、密度の濃い(目の詰んだ)繊維は
着心地がよく、長持ちし、暖かいです
当然、糸をたくさん使うので価格は高くなりますが
ちなみに当店の平均価格は6〜9万円(スーツお仕立上がり)なんですが
15〜20万かかるんでしょ、と誤解されてます
面白い例をのせている本がありましたので、その中から紹介します
蕎麦の話です
同じ蕎麦でも立ち食いの駅などにあるそば屋の蕎麦と
本格的な手打ちの蕎麦とでは味が全然違いますね
まず材料からが違います、中国産の大量生産品と日本産
繊維も等級の低い屑毛と等級の高いもの
さらに出来上がるまでの過程、作り方が違う
なぜか蕎麦とウール(カシミアなど)も共通点があるようです